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記憶の至福の中に漂う音楽
H ZETT M

client:
Worldapart ltd.
works:
Art direction, Design,

H ZETT Mの4thピアノ・ソロ・アルバム ジャケットデザイン。

このアルバムはティモシー・モートンの『複数性のエコロジー』からインスピレーションを受けて作られました。著書のなかでモートンは「エコロジーは内的空間への内省からはじまる」として、エコロジーは「自ら」を基点として「他者」に連鎖するものであるとしています。

音楽をつくるときにも、そこでは多重の人格が出現し、自らの音楽に対してさまざまなことを自らに問いかけます。ジャケットの表紙ではそういった演奏中に起こる内省、内的空間を多重露光のグラフィックとして表現しました。

ジャケット表紙では激しくプレイする姿を見せていますが、スリーブを引き抜くと演奏者不在のピアノだけを残しました。そうすることで、さっきまで鳴っていた音楽が急にとまり、静寂の中で余韻のように頭の中に響き続ける音楽=記憶の至福の中に漂う音楽がたちあがってくるようにデザインしています。

タイトルのタイプフェイスは写真植字の「石井細明朝体」を使用しました。写真植字はデジタル化される一世代前の1980‒90年代に広く使用されていた技術です。その中でも絶大な人気を誇っていた写研の「石井細明朝体」は文芸をはじめあらゆる印刷物に使用され、おそらくすべての日本人がその書体で何かしらの文章を読んでいたはずです。 しかし「石井細明朝」はデジタル化されず、現在の印刷物ではほぼ見ることはありません。つまり、おそらくその年代を過ごした人にとって「石井細明朝」は「記憶の中の書体」であると言えます。「記憶の至福の中に漂う音楽」のタイトルを表現するのにはぴったりな書体ではないかと考え、古い文字盤プレートから文字を採取してタイトル文字を製作しました。

そしてこの音楽はコンパクトディスクを含めたさまざまな媒体を通して、聞き手に届けられます。つまり「記憶の至福の中に漂う音楽」は演奏者の音楽であると同時に、連鎖した聞き手の音楽でもあります。むしろその連鎖のなかにこそ存在している音楽であると思います。そしてその連鎖は次の世代へと引き継がれていくことになります。音楽は終わっても、その響きは残っている。

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