築地前期五号かな(新規母型による金属活字鋳造)の試作。
現在、日本国内で金属活字を鋳造する会社は多く残っていますが、「活字母型」を製造する会社はありません。台湾では既にCAD方式による活字母型製造はおこなわれていますが、国内ではこの方式による活字母型製造はおこなわれていません。 そこで今後の国内母型製造の道筋をつくるためにも、CNCによる母型製作を試みました。
試作した書体は「築地前期五号かな」(東京築地活版製造所 明治十年見本帳より)。試作として「いろは」の三文字を製作しました。また現在の五号サイズに鋳造することから、鋳造をお願いした横浜・築地活字さんの保有する五号明朝体(岩田明朝体オールド)への混植を想定して製作を進めました。
今回の試作により、今後国内でも「新規活字の製造」「既存の傷んだ母型の刷新」といったことが可能になるかと思います。実際に製造するにあたって、太さのコントロール、欧文のセット幅、製造コスト等の課題はありますが、コンピューター制御になりますので、号数・ポイントどのようなサイズの母型も今後製造ができるようになるかと思います。
活字鋳造は横浜・築地活字さまにご協力いただきました。