世田谷区・松陰神社前に店舗を構えるデザイン系の古書店「nostos books」で開催された「上村一夫 原画展」で製作した活版印刷カード。
上村一夫氏が、1977年1月から1980年9月まで、新聞の日曜版に連載されていた挿絵入りコラム「浮世絵」シリーズをもとに製作。まず、原画がもっている、漫画家ならではの墨一色の美しい筆のタッチやスクリーントーンを、どうやって紙に定着させるかを熟考しました。そこで今回の絵が「浮世絵」シリーズということに着目し、江戸時代の浮世絵が木版多色刷りで印刷されているのであれば、上村さんの生きた時代の単色印刷は活版(凸版)だろうと考え、製作を進めました。
あわせて絵と同時に掲載されていたコラムもセットにして販売。本文には長年日本語の本文書体を担ってきた金属活字=五号明朝体で活字組版し、活版印刷で印刷しました。組版と活版印刷は八丁堀にある「弘陽」さんにお願いしました。オフセット印刷では出すことができない、力強い墨と文字に仕上がっています。